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サーキット走行のためのVALINOタイヤセッティングガイド

サーキット走行やタイムアタックに挑戦する方に向けて、VALINOタイヤの選び方とセッティング方法をご紹介します。このページでは、VR08GPシリーズやNEUMAといったサーキット向けタイヤの特徴、走行スタイル別の選び方、空気圧の調整方法、タイヤを最大限に活かすコツを詳しく解説します。VALINOはD1グランプリやFormula Drift Japanだけでなく、タイムアタックの現場でも数多くの記録更新に貢献してきました。競技で鍛え上げられたタイヤの性能を、あなたのサーキット走行でも体感してください。

VALINOのサーキット向けタイヤラインナップ

VALINOは、グリップ走行とタイムアタックのために複数のモデルを展開しています。それぞれの特徴を理解し、自分の走行スタイルや車両に合ったタイヤを選びましょう。

VR08GP - ラップタイム短縮のための最高峰

VR08GPは、ラップタイム短縮を目指すサーキットドライバーのために開発されたハイグリップタイヤです。強力な縦グリップと横グリップを両立し、コーナリング時の限界性能を高めています。サーキット専用タイヤとして設計されているため、ストリート走行での使用は推奨していません。本格的なタイムアタックや競技参戦を目指す方に最適なモデルです。

VR08GP NEUMA - 再設計された進化版

VR08GP NEUMAは、「再設計。再挑戦。再定義。」をコンセプトに、NEUMAを超えるのはNEUMAだけという思想で生まれた新世代モデルです。従来のVR08GPの高いグリップ力を維持しながら、より幅広い温度域で安定した性能を発揮できるよう改良されています。セッティングの許容範囲が広がり、初めてハイグリップタイヤを使う方にも扱いやすくなりました。

VR08GP SPORT - 軽自動車専用設計

VR08GP SPORTは、ミニサーキットやワインディングを楽しむ軽自動車専用に開発されたタイヤです。軽自動車特有の車重やパワー特性に合わせて最適化されており、小さなサーキットでも存分にグリップ性能を発揮します。軽量なボディを活かした軽快な走りを実現したい方におすすめです。

RUNZUP SPORT - ストリートとサーキットの両立

RUNZUP SPORTは、「走り倒せる、遊び尽くせる」をコンセプトに、日常走行からサーキット走行まで幅広く対応できるストリートラジアルです。本格的なタイムアタックには向きませんが、走行会やライトなサーキット走行を楽しむには十分な性能を持っています。ストリート用とサーキット用でタイヤを使い分けたくない方に適しています。

走行スタイル別のタイヤ選び

サーキット走行といっても、目的やレベルによって最適なタイヤは異なります。自分の走り方に合ったタイヤを選ぶことが、楽しく安全に走るための第一歩です。

初めてのサーキット走行

サーキット走行が初めての方には、VR08GP NEUMAまたはRUNZUP SPORTをおすすめします。NEUMAは幅広い温度域で安定した性能を発揮するため、タイヤ管理に不慣れでも扱いやすいのが特徴です。走行会レベルであれば、RUNZUP SPORTでも十分に楽しめます。まずはサーキットの雰囲気に慣れることを優先し、徐々にハイグリップタイヤへステップアップしていきましょう。

本格的なタイムアタック

ラップタイムを本気で詰めたい方には、VR08GPまたはVR08GP NEUMAが最適です。これらのタイヤは、コーナリング速度を高め、ブレーキング性能を向上させることで、確実にタイムを縮めることができます。ただし、ハイグリップタイヤは適正温度域でないと本来の性能を発揮できないため、タイヤウォーマーの使用や十分なウォームアップ走行が必要です。空気圧管理やタイヤ温度のモニタリングも重要になります。

走行会やスポーツ走行

競技参戦ではなく、趣味としてサーキット走行を楽しみたい方は、RUNZUP SPORTやVR08GP NEUMAが適しています。RUNZUP SPORTはストリート走行との兼用が可能で、コストパフォーマンスにも優れています。週末にサーキットへ行く程度の頻度であれば、タイヤ交換の手間も省けます。VR08GP NEUMAは、もう少し本格的にタイムを狙いたい方向けです。

💡 タイヤ選びのポイント

サーキット走行の頻度、目標タイム、予算を考慮して選びましょう。月に1回程度の走行会であれば、ストリートラジアルでも十分です。月に2回以上、本格的にタイムを狙うならハイグリップタイヤへの投資を検討しましょう。

サーキット走行での空気圧セッティング

サーキット走行では、タイヤの空気圧管理が非常に重要です。適切な空気圧に調整することで、タイヤの性能を最大限に引き出し、安定した走行が可能になります。

基本的な空気圧の考え方

サーキット走行では、タイヤが高温になるため空気圧が上昇します。一般的には、冷間時(走行前)で2.2〜2.5kPa程度からスタートし、走行後の熱間時で2.5〜2.8kPa程度になるよう調整します。ただし、これはあくまで目安であり、車両の重量、サスペンション設定、走行スタイルによって最適値は異なります。

空気圧調整の手順

まず、冷間時に設定した空気圧で数周走行し、ピットに戻ったらすぐにタイヤ温度と空気圧を測定します。理想的には、タイヤの接地面全体が均等に温まり、均等に摩耗していることが望ましいです。空気圧が高すぎると接地面の中央部分だけが摩耗し、低すぎると両端が摩耗します。走行後のタイヤを観察し、少しずつ調整を繰り返していきましょう。

フロントとリアの空気圧バランス

フロントとリアで空気圧を変えることで、車両の挙動を調整できます。アンダーステア傾向(曲がりにくい)の場合は、フロントの空気圧を下げるかリアを上げます。オーバーステア傾向(曲がりすぎる)の場合は、その逆を試してみましょう。ただし、大きく変えすぎるとバランスが崩れるので、0.1〜0.2kPa単位で微調整することをおすすめします。

💡 空気圧測定のタイミング

走行直後は、タイヤが最も熱い状態で空気圧も最高値になります。ピットインしたら、できるだけ早く(タイヤが冷める前に)測定しましょう。数分経つと温度が下がり、正確な熱間時の空気圧が分からなくなります。

タイヤを最大限に活かすテクニック

ハイグリップタイヤの性能を100%引き出すには、適切な準備と走り方が必要です。ここでは、タイヤのポテンシャルを最大限に活かすためのテクニックをご紹介します。

タイヤウォーマーの活用

タイヤウォーマーは、走行前にタイヤを適温まで温める機器です。ハイグリップタイヤは適正温度域に達して初めて本来のグリップ力を発揮するため、タイムアタックではタイヤウォーマーの使用が非常に効果的です。VALINOでも本格的なタイヤウォーマーを製品ラインナップに含めています。走行開始直後から最大グリップで攻められるため、アタックラップの精度が格段に向上します。

ウォームアップ走行の重要性

タイヤウォーマーがない場合、またはウォーマー使用後も、数周のウォームアップ走行が必要です。最初の1〜2周は70%程度のペースで走り、タイヤ全体を均一に温めます。特にサイド部分は温まりにくいので、コーナリングでしっかり荷重をかけることを意識しましょう。タイヤが適温に達したら、徐々にペースを上げていきます。

連続走行とタイヤ温度管理

長時間の連続走行では、タイヤが過熱してグリップが低下することがあります。タイヤ温度が上がりすぎたと感じたら、1周クールダウンラップを入れてペースを落とし、タイヤを冷ましましょう。また、ピット作業中もタイヤカバーなどで直射日光を避けると、温度管理がしやすくなります。

タイヤローテーションの考え方

サーキットによっては、左右のコーナー数に偏りがあります。例えば、右回りのサーキットでは左側のタイヤがより摩耗します。複数回の走行を予定している場合、タイヤを左右入れ替えることで、均等に摩耗させることができます。ただし、前後の入れ替えは車両のバランスに影響するため、慎重に判断しましょう。

サーキット走行でのよくあるトラブルと対処法

サーキット走行では、ストリート走行では経験しないようなトラブルに遭遇することがあります。事前に知っておくことで、冷静に対処できます。

タイヤの異常摩耗

走行後にタイヤを確認し、一部だけが極端に摩耗している場合は、空気圧やアライメントに問題がある可能性があります。中央部分だけ摩耗している場合は空気圧が高すぎ、両端だけ摩耗している場合は低すぎです。内側または外側だけが摩耗している場合は、キャンバー角の調整が必要です。

グリップの急激な低下

走行中にグリップが急に落ちたと感じたら、タイヤの過熱が原因かもしれません。一度ピットに戻り、タイヤを冷ましてから再度走行しましょう。また、タイヤ表面にゴムのカスが付着している場合も、グリップが低下します。タイヤブラシで軽く清掃すると改善することがあります。

空気圧の異常上昇

走行後に空気圧が想定以上に上昇している場合、冷間時の空気圧が低すぎたか、タイヤが過熱している可能性があります。次回は冷間時の空気圧を少し高めに設定するか、走行ペースを見直してタイヤ温度を管理しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. サーキット走行初心者にはどのVALINOタイヤがおすすめですか?
サーキット走行初心者には、VR08GP NEUMAまたはVR08GP SPORTがおすすめです。NEUMAは幅広い温度域で安定した性能を発揮し、セッティングの許容範囲が広いため、初めてのサーキット走行でも扱いやすいタイヤです。軽自動車の場合は、専用設計のVR08GP SPORTが最適です。
Q2. サーキット走行での適切な空気圧は?
一般的には冷間時で2.2〜2.5kPa程度からスタートし、走行後の熱間時で2.5〜2.8kPa程度になるよう調整します。ただし、車両の重量、サスペンション設定、走行スタイルによって最適値は異なるため、走行ごとに微調整が必要です。走行後にタイヤの接地面を確認し、均等に摩耗しているかをチェックしましょう。
Q3. タイムアタックでタイヤを最大限に活かすには?
タイヤウォーマーで事前に適温まで温めることで、走行開始直後から最大グリップを発揮できます。また、アタック前に数周のウォームアップ走行を行い、タイヤ全体を均一に温めることも重要です。空気圧は走行中に上昇するため、冷間時の設定を低めにし、熱間時に目標値になるよう調整してください。
Q4. VR08GPとVR08GP NEUMAの違いは?
VR08GPはラップタイム短縮を最優先に開発されたハイグリップサーキットタイヤです。VR08GP NEUMAは新設計により、グリップ力を維持しながら扱いやすさと安定性を向上させた進化版です。NEUMAの方が温度管理の許容範囲が広く、より幅広い条件で性能を発揮します。
Q5. ストリートとサーキットでタイヤを使い分けるべき?
本格的なタイムアタックを目指す場合は、サーキット専用タイヤを使い分けることを推奨します。ハイグリップタイヤはストリート走行での摩耗が早く、本来の性能を発揮できません。走行会やライトなサーキット走行であれば、RUNZUP SPORTのようなストリートラジアルでも十分に楽しめます。

まとめと次のアクション

サーキット走行では、タイヤ選びとセッティングがラップタイムに直結します。VALINOのサーキット向けタイヤは、それぞれ明確な用途とターゲットを持って開発されています。自分の走行スタイルや目標に合ったタイヤを選び、適切な空気圧管理とウォームアップを行うことで、タイヤの性能を最大限に引き出すことができます。

初めてのサーキット走行なら、まずはVR08GP NEUMAやRUNZUP SPORTで経験を積み、タイムアタックに本格的に取り組むならVR08GPへステップアップしましょう。タイヤは消耗品ですが、正しく使えば確実にあなたの走りをサポートしてくれます。

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